ハッピー・ハイポキシア

幸せの低酸素症と言われる「ハッピー・ハイポキシア」というのをご存じだろうか? 最近のコロナ禍で急激に重症化する患者の話が話題になるが、本人に命に係わるほど低酸素になっている自覚がない。しかしパルスオキシメーターで血中酸素飽和度を測ってみると、90前後になっていたりする。血中酸素飽和濃度は96以上あれば正常だが、それ以下だと酸素不足だ。90を切ると間違いなく重度の肺炎になっているはずだ。レントゲンを撮れば、胸はもう真っ白だ。しかし本人はなぜか息苦しさを感じない。危機感がない。そのまま放置すれば、呼吸不全で命を落とす。ある医師が言っていたが、肺炎で死亡するというのはベッドの上でゆっくり「溺れる」ということだ。とても苦しいはずだ。私は不思議に思っていた。ICUで人工呼吸器をつけることになったときも、今回の肺炎でも、息苦しさをとくに感じなかった。むしろホンワカいい気分になったほどだ。看護師に酸素マスクを付けられると、そっちの方が息苦しいと撥ね退けたぐらいだ。最近の報道でようやくそれがハッピーハイポキシアという症状だということが分かった。皆がそうなるわけではなく、私がそういう体質だったということだ。これに気付いたのは良かった。がん患者は免疫力が低下している。健康なら特に問題にならないような雑菌でも感染症になる。肺炎の死亡率は高い。特に60代以上はまったく油断できない。今回もなんとか生き残った。

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