玉川温泉湯治 その1
秋田県にある玉川温泉はそれはそれは山深い。八幡平の西側になる。最寄りの秋田新幹線・田沢湖駅からバスで約1時間半ほどかかる。この温泉の岩盤浴はがんに効くとのことで、全国からがん患者が集まる。温泉旅館後方に遊歩道があり、そこを進むと温熱をもった岩盤が広がる。周辺には数張りのテントが建ち、さながら「がん病棟」のようだ。私がここを訪れた時は骨髄腫はまだ発症していなかった。この時は尋常性乾癬の湯治で訪れた。もともとアトピーに良いとのことで全国的に有名になった温泉だ。皮膚病の湯治は岩盤浴ではなく湯浴みになる。温泉旅館には一泊二食付きの旅館部と自炊部があり、この時は旅館部とお隣りの新玉川温泉ホテルに合わせて約2週間宿泊した。大きな温泉浴場があり、湯船が並んでいる。源泉100%の湯船と50%の希釈湯があり、これらの泉質は酸性 – 含二酸化炭素・アルミニウム・鉄-塩化物泉 で無色透明。それとは別に白濁した湯船がある。こちらは硫化水素含有塩酸性緑ばん泉で泉質が違う。現在は寝湯や蒸気湯・箱蒸しなどができたそうで少し違うかも知れない。この大浴場に一日3回入ることにした。最初から源泉100%に入るのは危険だ。肌がピリピリする。陰部が痛い。だから50%希釈湯から入る。50%希釈湯といっても、酸性度があの草津温泉と同じというから恐れ入る。体をならし、ならし、しながら湯船を変えていく。一回の入浴時間は10分未満だ。いくら効能があると言っても、過ぎたるはなんとかだ。それを2,3日続けていると体に変化が現れた。赤い発疹が全身にでてきた。最初びっくりするが、これは良い兆候なのだ。単なる湯あたりではない。湯治の過程といえる・・・その2につづく。
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