ICUの夢
最近のコロナのニュースで、人工呼吸器の話がよく出てくる。私も肺炎で人工呼吸器を装着した。その時みた夢の記憶が蘇った。10年ほど前の今頃、私は集中治療室で生死をさまよっていた。気管内装管のため、麻酔を掛けられ意識が遠のき、深い眠りについた。肺炎のほか、急性腎不全、急性肝不全を併発。妻には医師から覚悟するよう伝えられた。夢は不思議なものだった。
海辺の温泉旅館に妻と行った。一軒宿だった。宿の前には美しく輝く白浜がどこまでも広がっている。食事の前にひとり散歩に出た。太陽は眩しく、白浜はどこまでも続いていた。波打ち際まで行こうと、歩き出した。長く長く歩いたが波打ち際にはたどり着かない。それでも歩いた。どのくらい経っただろう、不意に不安に駆られ、ハッとして振り返った。後ろも海だった。離小島にひとり佇んでいる。これは大変なことになったと思った。これは死ぬと思った。陸の方を眺めると泳いで帰れる距離ではなかった。その時、陸の方から一機のヘリがこちらの方へ向かってくるのが見える。ヘリはまっすぐこちらへ来て、私の上でホバリングした。何か叫んでいる。私も叫んだ。エンジンの爆音でなかなか声が届かない。もどかしい。私を呼ぶ声が聞こえる。何度もここにいるぞと叫んだ。しばらくして救助用の網袋が下りてきた・・・
これから末期癌からの生還とその後の戦いを綴っていきたいと思う。
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夢の続きが気になりました。時節柄、お体に気をつけてくださいね。
頑張って書き続けます。