放射線ホルミシス
山梨県に増冨ラジウム温泉という名湯がある。ここは鳥取県の三朝温泉、秋田県の玉川温泉と並んで全国でも有数のラジウム泉だ。ところで温泉の泉質表記によく「ラジウム泉」とか「ラドン泉」とか表記されているが、違いがよく分からないという方も少なくないだろう。実はこれは基本的に同じものだ。源泉の中に放射能元素が含まれているものをラジウム泉と呼び、それが空中で気体になったものがラドンだ。難しく言うとラジウム(元素番号88)がアルファ崩壊したものをラドンと呼ぶ。アルファ崩壊すると放射能のアルファ線を出すが、これはとても微弱なもので紙一枚で止まる。放射能の物理学的な説明はとても難しいので、興味がある方は専門書を読んでもらいたいが、ここで知りたいのはラジウム泉湯治が癌に効くのかどうかということだ(病院で行う放射線治療とは使う放射能の種類や過程がまったく異なるので注意してください)。空気中にアルファ線が通ると空気がイオン化される。このイオンと微量の放射線の刺激は身体を活性化させると言われている。これは放射線ホルミシス効果と言われ、専門学会で議論されている。私は増冨ラジウム温泉で湯治体験をしてみた。泊まったのは自炊部のある老舗旅館だ。増冨はどの宿も湯治対応している。
放射線ホルミシスでもっとも期待できる効果は免疫力アップだ。身体の活動を活性化し、病気への耐性を強くする。そして老化を防ぐ。そのため、効果効能はとても幅広いのは確かだ。下に効能表を示す。
ここの源泉は冷泉で入浴は結構大変なのだが、宿の入浴方法に従い、源泉槽に20分浸かったあと温かい湯舟に浸かって体を温めるというサイクルを一日数回か試してみた。宿泊日数は少なかったが、体調はとても良かった。医学的なデータを取った訳ではないが、ここに湯治宿泊した以降、骨髄腫は寛解状態で抗がん剤は使ってない。あくまでも私自身は満足な結果と思っている。次回はもう少し長逗留して、より詳しく検証してみたい。その際はまたご報告します。
筆者の運営サイト
日本温泉ネットワーク | スマート温泉ネット(スマホ版)