尋常性乾癬

30代の頃からフケのようなものがたくさん出てきて、スーツの肩のところをよく汚していた。単に不潔にしているからと思い、頭をよくシャンプーしていたが、一向に良くならなかった。特に頭のテッペン部分と後頭部からよく出ていた。でも深刻には考えなかった。40代になってある日のこと、妻から頭皮全体が真っ白だよと言われてギクとした。すぐに皮膚科を受診した。診断は「尋常性乾癬」とのことだった。この病名はその時初めて聞いた。他に関節炎になって強い痛みと痒みが伴う「関節症性乾癬」、深刻で入院治療が必要な「膿疱性乾癬」というのもある。罹患者は欧米人に多く、日本人では比較的珍しいとのことだった。頭に塗るステロイドローションを処方してもらったが、すぐ治る病気だと最初は高をくくっていた。しかしそれはまったく甘かった。ローションを塗ると一時的には良くなったが、暫くするとまた元に戻った。この病気を患っている方はよくご存知だとおもうが、皮膚病は全身に広がっていく。特に関節部分が多く、赤くなったあと白いフケのようなものが出て、それがポロポロとこぼれ落ちる。ひどい場合は部屋中、白く剥がれた皮膚片でゴミ屋敷状態になる。この剥がれた皮膚片は専門用語で「鱗屑(りんせつ)」という。この皮膚病の特徴として不思議なことにあまり痒くはない。また痛みもない。アトピー性皮膚炎の場合などはもうれつに痒くなり、就寝中もかきむしるようだが、乾癬の場合は比較的おだやかに寝られる。治療法としてはステロイド剤を塗るが、これは一時的に良くなるだけで、基本的に寛解にはならない。紫外線による光線療法や、古くから使われている飲み薬による治療法もあるが、完全寛解にはほど遠い。さらに飲み薬は副作用に要注意だ。最近「withコロナ」という言葉があるように、この病気は「with乾癬」で、長く付き合って生きていく病気だと悟った。60代の今現在はほぼ寛解状態だが、この病気に苦しんでいる方は少なくないと思う。そこで最近は新薬もぞくぞく出てきているようなので、自分が体験した治療で気がついたことを書き綴ろうと思う。医師から聞いたこともできるだけお知らせしたい。

足の甲 白い部分が乾癬

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