リハビリその1

臓器の調子が安定してきて、長い入院もいよいよ最後の方になってきた。首にささっていたカテーテルは無事抜かれ、腕からの点滴投与になったため、ベットの拘束帯は外された。比較的自由になったが、大問題があった。ベットから立ち上がることができないのだ。人は長いあいだ寝ていると、足の筋肉はすっかり衰え立てなくなる。トイレにも行けないので、尿管挿入とおむつはまだ外せない。また、顎や喉の筋肉や機能も落ち、口から水や食べ物を採ることもできない。食止めが続く。特にサラサラした水はとても危険で、誤嚥して肺炎を起こす。下手をすると呼吸困難になる。そこで、何はともあれリハビリをすることになった。まず、PT(理学療法士)による立ったり、歩いたりするトレーニングを行う。病室からリハビリ室まで車いすで移動するが、何か月もず~と病室の天井をみていたため、病院内を移動するだけでも初めて遠足に行く幼児のようなワクワク感があり、とても楽しい。それ以来、リハビリの時間が楽しみでトレーナーが病室に来てくれるだけでもとても嬉しい。また、妻や看護師さんが私を車いすに乗せて病院内を散策してくれるようになって、希望の光が湧いてきた。あちこち移動できるということは、こんなにも素晴らしいことかと、改めて気付かされた。今度は自分の足でと前のめりになったが、歩行訓練はゆっくりとしたペースで始まった。平行棒に掴まってそっと足を動かすが、体がとても重いので少しびっくりした。これは相当時間がかかるなと覚悟した。熱があるとリハビリは中止になるので、朝に体温を測るとき熱がないように心から祈った。次回は口からの水分、栄養補給ができるようにST(言語聴覚士)による嚥下の訓練と「胃ろう」について綴りたいと思う。

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